2009年05月09日

新型インフルエンザ騒動第二章

勉強のためにガイドラインに目を通していたら、国内感染者発生ですか。成田で止まったとはいえ、いつ流入してもおかしくないですね。だからといって焦る必要はまったく無いと思いますが、仕事柄今後はどうなる予定なのかを医療体制に関するガイドライン(PDF)で予習(笑)しておこうと思います。

『第二段階:当該都道府県内に新型インフルエンザ患者が発生し、入院勧告措置に基づいて感染症指定医療機関等で医療が行なわれる段階』に入る直前だと思います。空港で止まったので、まだ第二段階にはしないようです。
なお、ここで気になるのが『当該都道府県内』という言葉です。隣の県は発生したので第二段階だけど、うちはまだだから第一段階、と都道府県毎に決めるのですね。これは知りませんでした。

そもそも第二段階はいつまでなのか、というと
「第二段階」は、疫学調査により患者の感染経路が追跡できなくなり、入院勧告による感染拡大防止及び抑制する効果が得られなくなるまで、又は都道府県の感染症病床等が満床になるまでの段階
で、前述のように都道府県毎に異なるようです。ちなみに、第三段階は以下のようになってます。
第三段階:新型インフルエンザ患者が増加し、入院勧告措置が解除され、当該都道府県内の全ての入院医療機関において新型インフルエンザに使用可能な病床を動員して対応する段階
感染症指定医療機関等があふれるかあふれないかで変わります。

それでは、それぞれがどのように対応するのでしょうか。
『発熱外来』の設置前と設置後で対応が違うようです。

まずは設置前の一般のお医者さんです。
1)一般病院及び診療所等の対応
新型インフルエンザが疑われる患者は、発熱相談センターを介して感染症指定医療機関等を受診することが期待されるが、直接患者が感染症指定医療機関等以外の病院、及び診療所(以下、受診医療機関)を受診した場合、以下の対応をとる。
○ 受診医療機関は、患者が「要観察例」に該当すると判断した場合、直ちに最寄りの保健所に連絡する。


第一段階と違い、『発熱相談センター』を介さないケースを想定してあります。詳細はガイドラインを読んでもらうとして、基本的には感染の疑いがあれば感染症指定医療機関等への転送や、入院を『感染が確定するまで』は『勧奨』するようです。この段階では患者が拒否すれば自宅待機もOKなようです。検査結果が陽性だった場合は『勧告』に変わります。…、違いは勝手に調べてください(w)。
で、『その場合、病院の他の病室等へ新型インフルエンザウイルスが流出しないような構造設備を持つ病床を使用する』と書いてあるので、一般の病院・診療所でそういう構造設備を持っていない所はどうするのでしょうか。記述は見当たりませんでした。もめそうな記述です。

患者としては、飛込みで行っても病院に迷惑をかけるだけだし、やる事は『感染症指定医療機関等への転送』されるだけだし、この段階でも『発熱相談センター』へ相談した方がいいですね。

設置前の感染症指定医療機関等の対応ですが、当然ここは受け入れます。一点気をつけなければいけないのが
新型インフルエンザウイルス検査が陰性の場合、症状にあわせて入院継続の必要性 を検討し、必要に応じて他の病床又は他医療機関へ転送することが望まれる。
とあるので、再度転送されたりする可能性はあります。陰性だったのに陽性患者の中にいたくはないでしょうから問題はないと思いますが。

発熱外来の設置後は、普通の医療機関は
2)感染症指定医療機関等以外の医療機関
○ 新型インフルエンザの診療を行わない医療機関は、新型インフルエンザ以外の診療に専念し、医療サービスの維持に努めるとともに、必要に応じて発熱外来等に医師等を派遣するなどして協力する。
とだけあります。『専念』と書いてあるので、疑いがあるものは一切対応するな、という事でしょうか。すべて発熱外来が請け負うと考えた方がよさそうです。

直接関係するのは以上なのですが、ついでに一点意識しておく事を載せておきます。
(3)行政の対応
【中略】
2)厚生労働省
【中略】
○ 新型インフルエンザ患者発生の動向をみながら、通常のインフルエンザ患者に対する抗インフルエンザウイルス薬の使用を控える時期を判断し、都道府県等を通じその旨を各医療機関に伝える。


なんか、ようやく薬屋っぽい事ですが(笑)。
これに関しては抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドラインの『投与方法』という項目に記載がありました。
(2)新型インフルエンザ発生時の通常インフルエンザの治療
○ 新型インフルエンザの流行中であっても、高齢者や小児、基礎疾患を伴う人は、通常インフルエンザによって、重篤な病態が引き起こされることも考えられることから、タミフルの使用が必要な場合がある。
しかし、一般に健常成人の場合は、通常インフルエンザが重篤な病態を引き起こすことは考えにくく、新型インフルエンザの流行状況から、新型インフルエンザの感染が考えにくい場合や簡易診断キットでB型インフルエンザと診断された場合は、診察医の判断で抗インフルエンザウイルス薬の投与を控える場合がある。
つまり、普通のインフルエンザではそれほど問題ないからタミフルとかは使わないかもしれません、と書いてあります。海外も含めたら別でしょうが、国内限定で考えれば確かにそうなんでしょうね。大人だったらタミフルとかはいらないと思いますし。とりあえず、国内の在庫量を見て判断するので、通常のインフルエンザだと薬が処方されない場合がありますよ、という事です。
というより、現在の薬局の状況を考えると処方されても在庫が無くて出せない可能性の方が高いですね。今ですらそうなりつつありますから。

ちなみにタミフル、リレンザ共に予防投与での適用があるのですが、これに関しての記載もあります。
○ 早期対応戦略の一つとしてなされる予防投与は、新型インフルエンザの発生が地域限定的な場合において、感染拡大を防止するためのものである。
このため、国は新型インフルエンザによる感染が拡大した場合や、予防投与用の備蓄薬が一定量以下となった場合には、残量の有効かつ効率的な使用のために早期対応戦略としての予防投与を行わないことを都道府県に指導する。
○ さらに残量が減少してきたときは、医療従事者等へも、予防投与は行わず、発症後すぐに、確定診断を待たずに治療投与をするよう都道府県に指導する。
備蓄が少なくなったら予防投与は医療従事者へも行われません。仕方がないですね。知らなかったのが『予防投与に用いるタミフルは、国の備蓄薬を用いることが原則』だそうです。すなわち一般の薬局では投薬しない、という事になるのでしょうか。処方箋は?院内処方だけ?一般の医師が普通に予防として処方箋を作成した場合は?疑問は少なくありません。

ガイドラインを読めばまだまだいろいろ書いてありますが、今回はこの辺で。
というか飽きました(w



参考までに、何度か出ている感染症法15条と19条を引用しておきます。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第十五条
(感染症の発生の状況、動向及び原因の調査)
第十五条  都道府県知事は、感染症の発生を予防し、又は感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするため必要があると認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
2  厚生労働大臣は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
3  一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者は、前二項の規定による質問又は必要な調査に協力するよう努めなければならない。
4  第一項及び第二項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
5  都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の規定により実施された質問又は必要な調査の結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
6  都道府県知事は、第一項の規定を実施するため特に必要があると認めるときは、他の都道府県知事又は厚生労働大臣に感染症の治療の方法の研究、病原体等の検査その他の感染症に関する試験研究又は検査を行っている機関の職員の派遣その他同項の規定による質問又は必要な調査を実施するため必要な協力を求めることができる。
7  第四項の規定は、前項の規定により派遣された職員について準用する。
8  第四項の証明書に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

(検疫所長との連携)
第十五条の二  都道府県知事は、検疫法 (昭和二十六年法律第二百一号)第十八条第三項 (同法第三十四条 の規定に基づく政令によって準用される場合を含む。)の規定により検疫所長から健康状態に異状を生じた者に対し指示した事項その他の厚生労働省令で定める事項の通知(同法第三十四条の二第三項 の規定により実施される場合を含む。)を受けたときは、当該都道府県の職員に、当該健康状態に異状を生じた者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
2  都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により実施された質問又は必要な調査の結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
3  前条第四項の規定は、都道府県知事が当該職員に第一項に規定する措置を実施させる場合について準用する。

第十五条の三  都道府県知事は、検疫法第十八条第五項 (同法第三十四条 の規定に基づく政令によって準用される場合を含む。)の規定により検疫所長から同法第十八条第四項 に規定する者について同項 の規定により報告された事項の通知(同法第三十四条の二第三項 の規定により実施される場合を含む。)を受けたときは、当該者に対し、同法第十八条第一項 の規定により検疫所長が定めた期間内において当該者の体温その他の健康状態について報告を求め、又は当該都道府県の職員に質問させることができる。
2  都道府県知事は、前項の規定による報告又は質問の結果、健康状態に異状を生じた者を確認したときは、厚生労働省令で定めるところにより、直ちにその旨を厚生労働大臣に報告するとともに、当該職員に当該者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
3  都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により実施された質問又は必要な調査の結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
4  第十五条第四項の規定は、都道府県知事が当該職員に第一項及び第二項に規定する措置を実施させる場合について準用する。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第十九条
(入院)
第十九条  都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の患者に対し特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関に入院し、又はその保護者に対し当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院若しくは診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院し、又は当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。
2  都道府県知事は、前項の規定による勧告をする場合には、当該勧告に係る患者又はその保護者に対し適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
3  都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る患者を特定感染症指定医療機関又は第一種感染症指定医療機関(同項ただし書の規定による勧告に従わないときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるもの)に入院させることができる。
4  第一項及び前項の規定に係る入院の期間は、七十二時間を超えてはならない。
5  都道府県知事は、緊急その他やむを得ない理由があるときは、第一項又は第三項の規定により入院している患者を、当該患者が入院している病院又は診療所以外の病院又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院させることができる。
6  第一項又は第三項の規定に係る入院の期間と前項の規定に係る入院の期間とを合算した期間は、七十二時間を超えてはならない。
7  都道府県知事は、第一項の規定による勧告又は第三項の規定による入院の措置をしたときは、遅滞なく、当該患者が入院している病院又は診療所の所在地を管轄する保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会に報告しなければならない。
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