2008年10月03日

知る権利と知らないメリット

医者からもらった薬がわかる本 2009年版 (2009)某社から書類が送付されてきました。『酸化マグネシウム』という、ごく一般的な薬についての添付文書の改定のお知らせでした。
オリジナル(?)は平成20年9月19日付の厚生労働省医薬食品安全対策課長通知らしいのですが、ちょっと探しただけでは見当たりませんでしたので、
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構から引っ張ってみます。
* http://www.info.pmda.go.jp/kaitei/kaitei20080919.html#4

【前略】
[副作用]の項に新たに「重大な副作用」として
「高マグネシウム血症:本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれ、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある。
【後略】
実際問題として、酸化マグネシウムというのはどんな薬かというのはおくすり110番でも見ていただくとして、簡単に言えば便秘や胃酸の中和に使われる薬です。副作用も少なく、(医師の指示通りならば)結構安心して飲める薬だと思います。マグネシウムが含まれていますので、当然高マグネシウム血症になる可能性があり、頻度不明ですが副作用として明記されていました。これに死亡例が出たから『重大な副作用』として書くようにしますよ、というお知らせでした。

さて、これを読んで思い出したページがあります。
「死ぬこともある」と説明すべきか
「死ぬこともある」とは言ってほしくなかった。その気持ちは理解できるが、では万が一、患者が死亡したときに、医師を非難しないと言い切れるのか?「患者と真摯に向き合」っていたからと、説明不足を罵らないか?無論、真摯に尽くせばたとえ結果が悪くても患者および家族の多くは理解してくれるはずと医療者も信じている。しかし、すべてがそうとは言えない。
ここだけ引用すると当該ページが言いたい事が捻じ曲がって読めてしまうと思うので、ぜひ元ページをお読みください。
では、薬局は伝えるべきなのでしょうか?薬剤師にも説明責任があります。でも、『酸化マグネシウムは副作用ほとんど無いですよ。死亡例がありますけど』なんて言ったら患者さんは飲まないでしょうね…。当然そんな言い方はしませんが、内容はこうなってしまいます。
何を伝え、何を伝えずにおくか、という事はいつも悩ましい事です。伝えたら飲まなくなる(コンプライアンスが低下する)のでかなり遠まわしに伝えるとか、そもそも伝えないとか、それよりも時間が足りないとか…。知る権利は当然ありますし、このご時世、薬の名前がわかればインターネットでいくらでも調べられます。ですがわれわれが投薬する時に伝えない方が安心して飲んでいただけて、治療効果が高い場合もあると思ってます。知らない方がいい場合もあると思うんです。それを私が判断して良いのか?というのは…わかりません。患者の知る権利を踏みにじるのですから。本当に、どうするのがいいのでしょうか。おそらく永遠に悩むと思います。
所詮、人相手の行為ですので、当然正解などなく、bestの回答などはありえませんがなるべくbetterを探していきたいと思います。

ちなみに、このお知らせがウチに届いたのは1社だけでした。3社使ってるはずなんだけど…。たしか14日以内に連絡する必要があったと記憶してますが(根拠が見つかりませんでしたので記憶違いかもしれません)。
ふと気になり、Web上で公表されているのか?というのを調べてみました。思いつきで調べ始めましたが、結構大変…(^^;。なにせ、そもそも検索しにくいサイトが多すぎます。何も考えてないんじゃないかなぁ…。【○】が書いてある会社は上記改訂の記述が見つかったか、添付文書が改訂されていた会社です。【×】は記述が無い、ないし見つからなかった会社です。しかし、私って無知ですね。販売元、製造販売、発売、販売etc.の違いがわかりません…。御存知の方いらっしゃったら教えてください。
ショックだったのが信用して採用していた某社が【×】だった事ですね。変えようかな。あとは、やはりジェネリックメーカーの多くは、情報提供がダメダメだなぁ、と思いました。CMをガンガン流してる某社も【×】ですし。何かの参考になれば。

あくまでも、2008/9/19付の通知に対する2008/10/3時点での結果ですので、後ほど掲載されるかもしれない事をお断りしておきます。また、ピックアップしたのは送付されてきた『酸化マグネシウム製剤における高マグネシウム血症について』に記載されている『酸化マグネシウム製剤の製品名及び会社名一覧』を元にしました。本当にこれで全部かをチェックする気力まではありませんでしたm(__)m
重質酸化マグネシウム.OIオリエンタル薬品工業【×】
岩城製薬【○】
日医工【×】
マグミット錠協和化学工業【○】
健栄製薬【×】
シオエ製薬【○】
日本新薬【×】
丸石製薬【○】
マイラン製薬【○】
重質酸化マグネシウム「ケンエー」健栄製薬【×】
酸化マグネシウム「コザカイ・M」小堺製薬【×】
ヤクハン製薬【×】
日興製薬販売【サイト無し(別の薬専用ならあり)】
純生薬品工業【サイト無し】
重質酸化マグネシウム「三恵」三恵薬品【サイト無し】
重質酸化マグネシウムシオエシオエ製薬【○】
日本新薬【×】
「純生」軽カマ・重カマ純生薬品工業【サイト無し】
カイマックス錠大洋薬品工業【○】
日本ジェネリック【○】
酸化マグネシウム東海製薬【サイト無し】
酸化マグネシウム東洋製薬化成医薬品医療機器総合機構へ飛ぶ】
小野薬品工業【○】
重質酸化マグネシウム VFG・FG「ホエイ」マイラン製薬【○】
酸化マグネシウム錠「TX」トライックス【×】
酸化マグネシウム日興製薬販売【サイト無し(別の薬専用ならあり)】
中北薬品【×】
「重質」カマグG「ヒシヤマ」ニプロファーマ【○】
マイラン製薬【○】
酸化マグネシウム丸石製薬【○】
重酸カマヤクハン製薬【×】
酸化マグネシウム「ヤマゼン」M山善製薬【×】
マグラックス錠・細粒、重カマ「ヨシダ」吉田製薬【○】
posted by ちや at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 薬屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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